20万打企画 Vol,4









An affection of modesty.









時々、無性にやるせなくなる。

堂々巡りの考え。

答えのでない自問。

そして尽きることのない欲・・・









「ダメだ、もうやめよう」

彼女は数学のワークを閉じ、勉強机から離れるとベッドに倒れ込んだ。

うつ伏せて、枕に顔を押しつける。

こんな時は、こんな気持ちの時は。何をしてもはかどらないことを彼女はもう自覚している。

「もうすぐテストなのにな・・・」

今が勉強をしなくてはいけない時だということは承知している。

それでも、この感情はどうすることもできない。









何をすれば満たされるのか。

何をすれば心が埋まるのか。

それが彼女には分からない。









いや、本当は分からなく等はない。

知っていて、でもそれを求めることもできず。

自分の中に押し込めた結果が、今の彼女の心理状況なのである。




控えめな気持ち。

控えめな愛情。

他人に優しく、自分に厳しくを無意識のうちに行ってしまう彼女は

自分の気持ちにとても疎く、自分の欲にとても不親切で

全てを押し殺してしまう。









「寝れば少しは、楽になるのかしら・・・」

天上を見上げる。

眠ってしまえば気持ちはすっきりするかもしれない。

今より集中力も上がるだろう。

勉強だって、少しは力を入れられるはずだ。









だけど、それで満足かい?

そっと囁かれる欲望に忠実な声に、彼女は耳を傾けない。

瞳を閉じて、気持ちを落ち着かせる。









知っている。

彼に会いたいという切実な願いも。

抱きしめて欲しいという強い希望も。

その腕の中で、溺れるように泣いてしまいたいという欲求も。

だけど・・・そう、彼女はこれも同時に知っているのだ。

それは、彼にとって重荷になってしまうことだと。









そして、彼女は知らない。

それが、彼にとって重荷になってしまうと考えているその思考が全くの間違いであり

彼にとっての悩みの1つであることを。









『逢いたい』

たった一言、それだけでもメールを送ればきっと彼は時間を作ってくれる。

忙しさの中で、少しだけでも彼女にあわせてくれる。

そんな彼に、甘えてはいけないと彼女は何度も自分に言い聞かせる。

だから彼女は自分からは決して彼に連絡をとらない。

少なくとも、とても大事な用がないとき以外は。

しかし、携帯は常に持って歩いていた。

もしかしたら、もしかしたら。




彼から連絡があるかもしれない。









「たい・・・ち」

ねぇ 太一

逢いたい 会いたい 合いたいよ

今だれよりも、あなたに会いたいの・・・

閉ざされた瞳から溢れた涙はシーツに小さな水玉模様を描く。

先程まで無音だった彼女の部屋に、やがて規則的な寝息が聞こえ始めた。

それを聞いて、ほっと安堵のため息を付く少年がいる。









「空・・・」

彼は彼女の髪にふれ、そして頬を伝う雫を袖で拭う。

「なんでもっと、甘えてくれねぇんだよ」

抱えているモノを全てぶつけてくれればいいのに。

そうすれば、そうすれば。




この涙が こぼれ落ちる雫が・・・




「なあ、空」

「             」

気持ちの全てをこめて、彼は彼女の額に口づけを落とす。

そしてそっと毛布を掛けた後、彼女を起こさないよう物音立てずに部屋を去っていった。




なぁ そら・・・



おり文:絡み合わない2人の感情 求めるモノは同じなのに
すっごく自己満足です。普段とは全然違う雰囲気の話にした・・・つもり、です。
太空ってか太→←空って感じになってしまいましたね。苦笑
鬼太郎イラストを見たあとだったのでこう、ちょっとシビアな空気が(そうか?