20万打企画 Vol,2









Try not to lose anyting that is dear to you.









『あなたにとって大切な者は何も失わないようにしなさい』

その言葉を残し、占い師をゲストとして招いた特番は終わった。

同じくゲストの中に、俺の好きなサッカー選手がいたので何となく

他に見たい番組もないし、なんて軽い気持ちで見ていた番組だったけれど

見終わった俺は、何だすっきりしない気分でいっぱいだ。

最後に、占い師のおっさんが残した言葉が俺の中に重くのしかかる。

大切な者は・・・

「太一、お風呂あいたよー?」

大切な、者は・・・









「太一?」

「うわぁ?!! 空?!」

「何そんなに驚いてるの?」

ひょっこりと後から顔を覗かせる空。

お風呂上がりのあいつからは少しだけシャンプーの香りがする。









「あ・・・」

「なに?」

俺の肩に手を置いて、尋ねてくる空。

あの時より伸びた髪が、俺の頬をかすめる。

「いや、なんでも・・・」

「何でもなくないでしょ」

「う」

空に隠し事はできない。

いや、別にしようとも思ってねぇけどさ・・・









「今な、特番見てたんだ」

「うん。袖浦啓介のでしょ?」

「あぁ。そんでさ」




『あなたにとって大切な者は何も失わないようにしなさい』

その言葉が、妙に俺の中にひっかかる。

理由はわかってんだ。









「まだ、気にしてたの?」

「あたりめぇだろ」

多分きっと、俺はずっと後悔し続けるんだ。

一生。

空を、あの時空を奪われてしまったこと。









オレ達がデジタルワールドにやってきて、だいぶ慣れ始めた頃。

空がナノモンに攫われたことがある。

それを助けに行ったとき、空を取り戻しに行ったとき。

俺は手錠で押しつけられて、ベッドに固定された空を見た。

底なしに落とされそうになる空を。




あの時の恐怖を、俺は忘れたことがない。

無理矢理引き離されそうになったときの恐怖を・・・









「私、ちゃんとここにいるよ?」

「あぁ」

「太一が助けてくれたから、傷一つないよ?」

「あぁ。傷、ちゃんと消えたもんな」

俺の右肩に乗っている空の腕を掴む。

空を救出したとき、その腕には小さな傷痕が付いていた。少しだけ血も滲んでいて。

多分、抵抗したときに手錠で切ったんだろう。

小さな傷だったけれど、でも怪我は怪我だ。




今だから分かる。今だから思う。

女の子なのに-------------------









「俺さ」

「うん」

「ずっと、ずっと、空のこと守り続けるから」

「うん」

「うんって・・・ちゃんと聞いてるか?」

空の返事が変わらずに繰り返される。

俺はちょっとだけ顔を上げて、あいつの表情を見た。









「ちゃんと聞いてるわよ」

「んじゃもっとこう」

「でも、イヤだから」

「は?」




「守られるだけは、イヤだから」




むすっとしていて、少し不機嫌顔はそのせいか。

「イヤだからって・・・」

「私だって、すごく後悔した。どうしてこんなに無力なんだろうって。

みんなに心配かけて、迷惑かけて・・・でも、助けてもらうことしかできなくて」

結果的に一時であったとしても太一を失うことになった。

みんなの紋章が輝くきっかけになったとしても、みんなが離ればなれになる原因にもなった。

多分空は

俺が後悔してるのと同じくらい、自分を責めたんだ。

そして今も・・・









「うん。そうだな。空はそんな女々しいヤツじゃないよな」

「女々しいってこう言うときに使う言葉だっけ?」

「・・・さあ?」

なんか、違ったようなきもすっけど・・・

でもこう女って2つ書くとこあたり、女の子女の子な雰囲気すんじゃねーか。

「とにかくうん、空の気持ちはわかった」

「うん」

「けどやっぱり、俺は空を護るぜ? 空が、大切だから」

「ありがとう」

もう、無くしたくないから。

「それに、俺も空に守られてるしな」

「・・・そう?」

「うん。あったりめーだろ?」









俺は空に守られてる。

守られてる、つーのは少し違うかもしれないけれど。

けど結果的に同じ意だ。

それは間違いない。









「うん、ありがとう」

「おぉ・・・って、あれ? 何で空がお礼言ってんだ?」

「え? だって、守ってくれるんでしょ?」

それは、そうだけど。

あれ?

そのお礼はさっききかなかったか?

じゃぁ、今のお礼は?









「空?」

「なに?」




「ありがとう」




「うん。どういたしまして」









守って、守られる関係で、ありたい。

もう2度と、空を失わないように・・・









<<おまけ>>
太:よし、んじゃいっしょに寝るか
空:いったい何がどう「よし」なのよ?」
太:ん? なんかこう、流れ的に。もうこのままソファで寝ちゃっても良いかな、なんて
俺はぐいっと空の腕を引っ張り、こちらに誘導する。
スプリングがはずみ、タオルが俺の膝の上に広がる。そしてふさ、とそこに空の髪が広がった。
空:だ、だいたい! 太一お風呂に入ってないでしょ?!
太:大丈夫だって。んなに汗かいてねぇし、今日は
空:そういう問題じゃなーーーーーい!!!
太:気にしない、気にしない♪



おり文:2度と君を失わないよう ボクは君を守り続ける
おまけとか数年ぶりくらいに書いた気がする。
書く必要があったのかっていわれると、あれですが。書きたかったんですよ。苦笑
続き・・・読みたいね(知らんがな