20万打企画 Vol,16









He clapped his hand across her mouth.









もう、ダメだと思った。

押さえ込んでいたこの感情を、これ以上隠し通すことはできないと。

何もかも自分の中に押し込んで、幼なじみとして笑っていることなんて。

もう無理だと、空は自覚した。









彼の姿に視界が奪われるようになったのはいつからだろう。

それはもう、思い出せないほど昔のことかもしれない。

もしかしたら、とても最近なのかもしれない。

気づいたときには、空の視界は、空の世界は。

八神太一で埋め尽くされていた。









好き









世間一般では未だ子供な私たちだけど。

この感情は、大人の人と変わらない。

好き。太一が、好き。

世界中の誰よりも。









それが、他の友達に向けられるモノではないと知った。

彼だけが特別だと知った。

けれど、例え自分にとって彼が特別の存在でも

彼にとっては、自分はただの幼なじみかもしれない。




何かを伝えて全てを失うくらいなら


何も伝えずにいつまでも隣で笑っていたい




あなたのとなりの女の子で いたい









それで充分だった。それで十分だと思った。

現に空は、今までそうやって日々を過ごしてきた。

しかし、人は成長するに連れ気持ちにも変化が訪れる。

満たされればまた新たなよくがうまれ、それが満たされれば更に欲は強く、大きくなる

それが人間の性だ。









カタン

彼女の中で、小さく・・・それでも確実に外れた歯車。

もう、止められない

友達も幼なじみも、もどかしいだけの距離。




ねぇ 太一。私は、私はね。


もう、女の子だよ。









そして空は、全てを伝えようと決めた。

決めた、というのはもしかしたら間違いかもしれない。

今ここで言わなければ一生後悔すると全身が訴えかけてきた。

そしてそれに忠実に従おうとした。

しかし、あっさりと彼に遮られてしまう。









太一は手で素早く空の口を塞いだ。









「ちょっとたんま」

「!」

それは、拒絶の言葉。

彼は空の言葉を先読みして、そして拒否する。

カタン

再び崩れる歯車 彼女は彼から離れようとする その一歩を踏み出そうとしたときだった









「続きは、俺から言うから」

「え?」

驚いた空は いつの間に溜まっていたのか、涙の溢れる瞳で彼を見上げる。

視界はぼやけていたが、確かにそこに彼はいて。

少しだけ照れくさそうに頬を赤く染めていて。

「空、俺空のことが・・・」

続けられた言葉。重ねられた唇。




繋がった 想い

どうかとぎれることなく 永遠を誓いあえますように・・・



おり文:“好き”の言葉 男から伝えなきゃ 意味がないだろ?
はふー。なんかこう、太一はさ。鈍いから自分じゃ気づかなかったんですよ。
それでもどかしくなった空が(それでも結構耐えたとみる)つい口から好きだ、とこぼれ落ちそうになるわけですよ。
でも、自分じゃ気づけなかった太一さんもさすがに場数踏んでたわけで
告白ってのは結構経験済みで、あ、俺空に告白されるって気づいて
そこでやっと、空が好きだと自覚してみたりするわけですよ。
そしたら何だか、空から「好きだ」って言われるのが、男として凄く情けない気がして
というか“自分から言いたい”っていう男のプライドとか芽生えちゃって、空の口を塞いで以下作品通り。
・・・説明しなきゃ伝わらない小説って最悪ですよね。すみません><