20万打企画 Vol,15









He characterizes her as to be an angel.

(Vol,30 Her shouts roused him from his sleep. の続きです)









「はい、太一」

「あぁ。サンキュ」

アスファルトの上に、ゆっくりと空は座り込んだ。

その横でオレは、空が買ってきてくれたホットココアを受け取り同じように座る。

「でもビックリした。太一、イキナリ叫ぶんだもん」

「悪ぃ。けど、空が部屋にいないからオレも驚いたんだぜ?」

やっと言葉がでるようになった。

ここに空が居るって、身体が実感できたからか?

「ごめんね。ちょっとだけ、その風感じたくなって」

空は小さく笑いながら、買ってきた自分の分のココアを開ける。









「風邪引くぞ? こんな時間にそんな薄着で外にでたら」

空はホテル側が用意した薄い着物・・・みたいなものの上にカーディガンをはおってるだけ。

オレは一度ココアを脇に置いて、上に着ていたパーカーを空に渡した。

「ほら、これ着とけよ」

「大丈夫よ。それに、これ脱いだら太一の方が寒いじゃない」

一本オレはといえば、その下に着ているのは長袖のTシャツだけ。

確かに説得力ねぇよなぁ。









「いいから、着とけって。空オレより寒がりだろ? オレは平気だから」

「でも・・・」

「空が風邪引いたら、オレが困るんだ」

だから着てくれ、と頼み込むと空が少しだけ困った表情をする。

そしてやがて「ありがとう」とそれを受け取って、カーディガンの上からはおる。









「有難う、太一。あったかい」

「どういたしまして」

オレは何故だか無性に嬉しくなって、いつもより心が浮かれていた。









オレに言わせれば空は天使だ。

その言葉1つ1つに、オレを幸せにするマホウがかけられている。

動作1つ1つに、オレを惑わせる魅惑が潜んでる。

同じ人間とは思えないくらい、綺麗な空。









コワシタイ    タイセツニシタイ

浮かんでは消える、小さな欲望。

「太一? どうかしたの?」

「ん? なんでもねーよ」

そしてまた潰す。彼女とのこの距離を変えたくないから。

自分の欲望を押し殺す。









「そろそろ日が昇るわね」

「そうだな。今日はどこ行くんだっけ?」

「海じゃなかったかしら? 昨日ヒカリちゃんが、早く星の砂を手にとって見たいって」

「あー言ってたな。んじゃ、今日は海か」

少しずつ昇り始める太陽。光が差す。

「海で見る朝日、もっと綺麗なんだろうね」

「あぁ。でもオレは、空と見られるならどこでもいいや」

空は驚いてオレを見るが、オレは笑いながら「マジ」と言う。

「もう・・・」

「しかたねーだろ? ホントの事なんだからよ」

「・・・太一のバカ」

その言葉が愛情表現だとオレは知っている。

だからそっと、空の手のひらの上に、自分の手を重ねた。









「思い出、いっぱい作ろうな」

「うん」

「空」

「なに?」









「おはよう」

朝日を浴びて美しい彼女。やっと視界に、空の全てがカラーでうつる。

愛しく恋しく、そしてもどかしい。

それらの感情を全て押し込めて、蓋を閉じて。




オレは彼女の額に、短い口づけをした。

今はまだ、自分にできるのはこれだけで精一杯だから・・・

焦りたくはない。怖がらせたくはない。何よりも、空の気持ちが大切だから。



だって、空はこんなにも嬉しそうに頬を赤く染めて笑ってくれるんだから。

それだけで十分だ。すくなくとも、今は・・・。














一方。

「帰ってきませんね。太一さんと空さん」

「太一の奴、あんなに騒音立てて出て行きやがって」

「鍵すら持たずに飛び出していきましたからね」

太一の大げさなほどの動作と、騒音でたたき起こされた男2人。

「あいつだけ置いて帰ろうぜ」

「その為にはまず空さんを救出しなくては」

光子郎とヤマトが空だけをこちら側に引き取り、太一だけ残していく方法を考え始める。

ひょいっと後から、声が続々と聞こえ始めた。

「じゃぁさ、まず太一さんを・・・」

「お兄ちゃんならきっと・・・」

「おーはよぉ! なんでみんなそんなに早起きなの?」

「ちょっと君たち。いくら相手が太一でも沖縄に置いていくのは酷すぎるとボクは・・・」









こうして、8人の朝は幕を開けたのだった。

部屋に戻ってきてすぐ、太一は殴られるとも知らずに。

この時間、幸せに浸りながら彼女と朝日を浴びつつ会話を交わしていた。









「もう真っ向から殴ってやろうぜ」

「それでいきましょう」

「うん、そうしよう」

「お兄ちゃんのせいでたたき起こされたんだから」

「ほどほどに手加減はするとしよう」

「えー? 太一さん、何かしたのぉ?」




1日はまだまだ長いのだ。



おり文:輝く君は本当に人間? いつかボクを置いて他の世界に帰ってしまいそうで ボクはいつも恐怖を感じる
しょーもねぇ続きにつき合ってくださりありがとうございます。
というかこれ、太空かぁ?ぇ